地球温暖化について考える
2020年 07月 05日
地球温暖化と正面から向き合うとき
「地球にやさしく」、「地球温暖化防止のために」、という言葉を飾ってきたけれど、本当に自分事として受け止め、向き合ってきただろうか。
今年の冬の気温は平均より2度高かった。偏西風が蛇行しているためといわれる。海にかかわる人たちに聞けば、海水温は明らかに高いという。昨年の台風で日本中大きな痛手を受けた。今現在も集中雨で命の危機にさらされている人たちがいる。
そろそろ私たちは気づいて、動き出さなければ。これ以上、地球を壊さないために。次の世代の人類が生き残るために。
世界を見てみると、
《ロシアでは》
国土の6割を永久凍土が占めるロシアで、温暖化が深刻化している。大量の温室効果ガスを含み「地球の時限爆弾」と呼ばれる凍土の融解が進んでいるためだ。世界の永久凍土の70%が失われるとの予測もあり、地球規模で温暖化被害が一層加速する懸念が高まる。地盤が緩めば同国を支えるエネルギー産業のインフラ構築にも打撃を与えかねない。現に石油タンクが傾き、大量の油が流出する事故も起きている。永久凍土の中に閉じ込められていたメタンガスが空気中に放出されれば、温暖化をさらに加速することになる。また、未知のウイルスや細菌も地上に現れることとなる。
《南極では》
1989年以降の南極点における温暖化のペースが、全球平均の3倍以上になっていることを報告する論文が、Nature Climate Change に掲載される。この温暖化期の主な駆動要因は、熱帯における自然な気候変化であり、温室効果ガスの増加によって温暖化が激化した可能性が高いとされる。
南極の気候は、気温の年間変動が地球上で最大級のものとなり、地域差も大きい。20世紀後半には、西南極と南極半島の大部分で、温暖化と氷床の薄化が起こった。これに対して、南極大陸の内陸部の高地に位置する南極点は、1980年代まで寒冷化したが、その後は大幅に温暖化している。
《国際紛争が激化する火種にも》
世界文明の発祥の地といわれる。ナイル川、インダス川流域で、水をめぐる争いが起き始めている。
エチオピアは、ナイル川(Nile River)支流の一つ、青ナイル川(Blue Nile)に建設を進める巨大水力発電用ダム「大エチオピア・ルネサンスダム(Grand Ethiopian Renaissance Dam)」をめぐり、エジプトとの間で緊張が高まっている。エジプトは、国内の水需要の約97%をナイル川に依存しているためだ。
世界有数の大河、インダス川は、ヒマラヤとその周辺の氷河から流れ出す豊かな水を運び、2億7000万人の生活を支えている。しかし、地球温暖化の進行とともに氷河が縮小し、2050年頃から川の水量が減少に転じるという。そうなれば多くの人々の暮らしが脅かされ、インド、パキスタン、中国の関係は悪化するだろう。
地球温暖化に対する日本の現状を見てみると
日本政府と電力会社は原子力発電に多額の資金を投じてきたが、東日本大震災後止めざるを得なくなった。変わって火力発電が主流となって電力を支える一方で、再生可能エネルギーの普及を進めてきた。しかし、送電ための主なインフラを8大電力会社が押さえているために、有効活用が進まない。また、従来の遠隔地で発電したエネルギーを消費地へ送るという考えに立っているために、分散電源によって地域ごとに発電したエネルギーを利用する電力の自給自足を進めることが困難になっている。
7月3日、経済産業大臣は、2030年度までに低効率発電所の約100基の休廃止を進める。と述べ、再生エネルギーの送電線使用を優先するとした。現在日本国内の石炭火力発電所は140基あり、そのうちの114基が低効率であるとされる。これまでの政策から考えれば大きな前進である。しかしその実現には各電力会社の抱える事情があり、困難が伴うと予想される。
二酸化炭素の削減で、もう一つ考えなければならないのは、ゴミの処理である。私たちは、地道に紙資源やペットボトル、プラスチック容器のリサイクルに取り組んできた。それらが適正にリサイクルされているという前提で考えてみる。家庭や事業所から排出されるゴミの多くは焼却処分されている。ゴミ焼却所の排出ガスから、ダイオキシンなどの有害物質を減らす努力はされてきたが、二酸化炭素を減らす取り組みにまでは至っていない。家庭ゴミのうちの多くを占める生ゴミを分解して肥料化する。役所、事業所で紙を減らす。また、ゴミ焼却によって発生する熱をエネルギーとして利用する。本気で取り組めば、ゴミから排出される二酸化炭素量はもっと減らせるはずである。
もう一度世界に目を向けて
世界各地でまだ戦闘が行われている。無駄なミサイル発射実験や戦闘訓練を行っている国がある。軍隊が市民に銃を向ける国がある。それらの破壊行為によっても二酸化炭素は排出される。それを思うと我々のゴミ削減などという努力はささやかすぎるようにも思える。地球上から戦争をなくすことが改めて必要だと思う。戦争するなら近代兵器はすべて禁止して、刀と槍と素手だけで戦うことにすれば良い。
思想や宗教と関係なく、声を大にして世界平和を叫ぶべきだと思う。イージスアショアを断念した次の口で、専守防衛云々ではなく、いかに戦争を起こさせないかに知恵を絞ってほしい。
子どもたち、孫たちの世代が悲しい思いをしなくて済みますように。