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令和3年度第4回定例会一般通告質問Q&A

令和3年第4回定例会一般通告質問Q&A

一.子育て支援と幼児教育について

館山市に今後、若い世代が定着するための大きなカギとなるのが子育て支援である。若い世代の取り込みに多くの自治体が躍起になっている中で、子育て支援策を充実させたところが確実に人口を増やしている。

何よりも子どもたちが、心豊かに健やかに育ってくれることを願う。

Q. 館山市の3歳児の就園率が全国と比べて低いことについてどのように考えているか。

A. 平成31年に館山市が実施した「子ども子育て支援事業計画策定のためのニーズ調査」において、当時0歳児の保護者は,就園希望の問いに対して70.5パーセントが保育園、幼稚園等を利用したいとの結果だった。この調査の対象児童は現在の3歳児であり、その就園率は75.4パーセントとなっている。この結果から言えることは、就園希望を上回る割合の3歳児が、現在保育園、幼稚園等を利用していることなるので、館山市における就園のニーズは満たしていると考えている。

解説: 子どもが0歳の時に「この子が3歳になったら預けるか」と聞いたアンケートを根拠にニーズが満たされていると言及するのは乱暴です。全国の3歳児の就園率は94.7%であるのに対し、館山市が75.4%と極端に低い事の説明にはなりません。

第3回教育振興基本計画の中で幼児教育の重要性が繰り返し述べられています。3歳児が適切な幼児教育を受けることがその後の発育にも大きくかかわってくることが様々な研究結果でも出てきています。教育振興基本計画により、3歳児の保育料無償化となっています。

もっと以前に平成17年、文科省中央教育審議会の子供を取り巻く環境の変化を踏まえた今後の幼児教育のあり方についての答申の第2章、幼児教育の充実のための具体的方策の第1節(1)、幼児教育の機会の拡大という項目の中で、「幼稚園教育の地域的遍在の問題等を踏まえ、入園を希望する全ての満3歳児から5歳児の就園を目標に幼稚園の整備を進めるなど、幼児教育の機会の拡大について、総合施設に関する検討状況も踏まえながらさらに検討、推進、充実する必要がある。」とあります。就園を希望する3歳児がすべて幼児教育を受けられる環境を整えることが市町村には求められています。


Q.  那古幼稚園、北条幼稚園での3歳児の受け入れを行うと老朽化した純真保育園、中央保育園の3歳児をよりよい環境で保育できると思うが、どう考えるか。

A.  市内の私立幼稚園の定員に十分な空きがあり、3歳児の受け皿が確保されていることから、現時点では那古、北条の両幼稚園での受入れは考えていない。しかしながら、北条幼稚園での3歳児枠の新設については、将来の教育・保育の必要な子どもの人数や、老朽化する中央保育園との統合のあり方を考えながら、館山市後期基本計画にも位置付けているこども園化の中で現在検討している。

解説:市内唯一の私立幼稚園は入園料、制服など入園児に高額な費用がかかります。また、市の北部に位置しているので、南部からの通園は時間がかかります。

純真保育園は老朽化と同時に津波の危険のある場所にあります。那古幼稚園の預かり保育を来年度より開始することになりましたが、兄弟を別々の所に送迎するのは負担が大きいなどの理由で、純真保育園から那古幼稚園へ移動する子どもは少ないようです。那古幼稚園をこども園化して、純真保育園の子どもをすべて引き受けられるようにすれば解決できるでしょう。純真保育園には、60名以上の子どもが通っています。

中央保育園の老朽化も以前から課題となっていました。北条幼稚園のこども園化、3歳児の短時間枠の創設の早期実現が求められます。


Q.  産後ケアが始まったが、出産時の家事支援について伺う。

コロナ禍で里帰り出産が出来ず、無理をしながら上の子どもの送迎を行っているお母さんがいるという話を聞いた。核家族化が進んでいるにも関わらず、男性の育児休暇取得はなかなか進まない。産後の母親に大きな負担のかかる事例は増えていると思う。市として産後の家事支援の仕組みを検討できないか。

A.市が実施している家事支援のサービスはないが、育児支援としてお子様の送迎や預かりなどは元気な広場に併設しているファミリーサポートセンターで行なっている。

また、妊娠期から子育て期の不安や悩みなどの相談は、昨年10月に「たてっ子」の名称で開設した子育て世代包括支援センターで保健師が随時受けているほか、子育て期の親子の交流の場として、元気な広場で「おしゃべりカフェ」や「スマイルクラブ」などを開催している。

解説:産後にかかわらず、どうしても困った場合の支援の仕組みが欲しいと思います。都会なら家事サービスや、ベビーシッターなどお金で解決できる仕組みもありますが、ここにはありません。ファミリーサポートセンターはあくまで有償ボランティアなので、ボランティアの都合がつかなければ利用できません。

男性の育児休暇取得があたり前になれば解決できる問題でもあります。市内の事業所でも理解を広めていくことが大切です。


二.海岸の環境整備について

市の総合計画の重点プランの第一番目に海の魅力アップが挙げられている。海で人が働く、憩う、海の魅力で人を呼び寄せる。そのためには、海がきれいであることが必須要件である。

Q. 海岸整備、漂着物処理について館山市でどのような取り組みをしているか。

A.  毎年、海水浴場を開設する海岸を中心に、職員による重機等を使った海岸清掃作業を行っている。今年度は4月から11月までで、延べ114日、5名の海岸清掃作業員により実施した。

 また、館山市ではボランティアの皆様により市内のそれぞれの海岸で清掃活動が活発に行われている。館山市としても、個人へのボランティア袋の交付や清掃したごみの収集依頼に対応するなど、ボランティア清掃を積極的に支援している。今年度は2年ぶりに鏡ケ浦クリーン作戦を実施したほか、7月にはスマートフォンからボランティア清掃の申請ができるようにするなど、ボランティア清掃の裾野が広がるよう取組んでいる。

加えて令和3年度市民協働まちづくり支援事業として、たてやまビーチクリーンボランティアネットワークによる「ビーチクリーンを効果的に行う方法の実証確認」を補助金の対象事業に選定し、10月に重機やビーチクリーナーを用いて海岸の大量ごみや巨大漂着物への効果的な清掃を行っていただいた。


Q. 海岸管理者である県との連携をどう進めていくか。

A.  海岸管理者である千葉県がその責務を果たし、海岸漂着物等の処理を行うよう実施期間や実施エリアの拡大の要望を続けており、地元選出の県議会議員からも、千葉県議会において質問や要望など千葉県に働きかけていただいている中で、今年度は安房土木事務所よる海岸清掃が,海水浴場の開設期間前である7月上旬に初めて実施され,また例年通り1月から3月までの間でも実施すると伺っている。今後とも千葉県との連絡を密にし,課題を共有することはもちろんのこと,千葉県海岸漂着物対策推進協議会などの会議の場においても課題の解決に向けた協議を進めるなど、連携を更に深めていきたいと考えている。

解説: 館山の海の美しさを保ち、活用していくことは、県、市、市民皆で考えていかなければならないことだと思います。その中で県と市が連携を深め、環境省の漂着物等地域対策推進事業などを活用し、積極的に環境整備等を行って欲しいと考えます。


Q.子どもたちが海で遊び、美しさを実感することで、きれいな海を守っていこうとか、活かしていこうという思いが育つ。子どもたちが海とかかわる環境をどう作っているか。

A.総合的な学習の時間や生活科、児童会活動などを通じて「海に関わる教育活動」を市内全ての小中学校において実施している。

 具体的には海岸美化活動や海の環境調査学習については、市内13学校のうち10校で実施しており、校外学習などを通じた海に親しむ教育活動については7校にて実施している。

また、各学校では館山市と関わりのある大学や地元高等学校との連携、海を活動拠点とするNPO法人や地元漁業協同組合と連携した活動を実施しており、それらを通じて地域資源である「海」に関する理解や愛着心の醸成を目指している。

解説:館山市内の小中学校は、様々な機会を通して、子どもたちが自然環境に触れ合う取り組みを進めています。今後も力を入れて欲しいと考えます。


三.館山市地域新エネルギービジョンについて

地球温暖化防止の観点に立った時、化石エネルギーを再生可能エネルギーに転換していくことが求められます。多くの企業が再生可能エネルギーの利用を関連会社にも課していたり、自然エネルギーでの暮らしを求める人も増えています。

Q. 平成14年度に策定された、館山市地域新エネルギービジョンに基づき、再生可能エネルギーの導入が進められているか。

A.平成14年度に策定された「館山市地域新エネルギービジョン」において示された施策のうち、再生可能エネルギーの導入としては住宅用太陽光発電設備設置への補助事業、公共施設への新エネルギー導入事業を実施している。住宅用太陽光発電設備設置への補助事業は、平成21年度に事業化され、現在も住宅用省エネルギー設備設置補助事業として継続している。公共施設への新エネルギー導入事業については、館山市の管理する公共施設8箇所において太陽光発電設備を設置し、施設で消費する電力の一部として使用している。また,今後建設予定である館山中学校の新校舎へも太陽光発電設備を設置する計画となっている。今後も公共施設への新エネルギーの導入について検討していく。

Q. 再生可能エネルギーの普及と地域内電力生産について市はどう考えているか。

A.  地域で開発した再生可能エネルギーを地域の電力会社が調達し、地域に供給するいわゆる地域新電力事業を行う事業者が現在館山市内に無いため、当面は地域で生産した電力を東京電力などの地域外の電力会社に売電せざるをえない。事業者から地域新電力の事業化について相談があった際は、事業内容を精査し、地域環境との調和が図られるよう進めていきたい。

解説: 館山市は再生可能エネルギーの宝庫です。ところが、太陽光発電所の多くは市外の業者によってつくられ、売電した利益の多くは市外に流出しています。そして、市民の多くは市外の電力会社に料金を払っています。

館山市内の約2万世帯が月平均9500円の電気料金を支払っているとすると、1年間に約22億円になります。これが市内で循環する仕組みを作れば大きな経済効果が生まれます。平成14年に館山市が作成した新エネルギービジョンを埋もれさせることなく、環境問題に対して先進的な取り組みを行って欲しいと考えます。


耕作放棄地の対策について

市内の耕作放棄地は目に見えて増えています。荒廃した農地が山林化し、イノシシなどの棲み処、不法投棄、海岸や川の竹ごみの原因となっています。

温暖で、大きな消費地にも近い館山市の農地は大きな価値を持っていると思います。荒廃させることなく利用していくべきです。

Q. 耕作放棄地のうち、今後も耕作される見込みのない土地がどれくらいあるか。

A.  市の農水産課と農業委員会で毎年行っている荒廃農地調査によると、再生利用が可能と見込まれる耕作放棄地の面積は61ヘクタール、再生利用が困難と見込まれる既に山林化した耕作放棄地の面積は478ヘクタール、全体で539ヘクタールとなっている。館山市の農地の面積は田が1,453ヘクタール、畑が859ヘクタール、合計2,312ヘクタールであり、耕作放棄地の割合は23.3パーセントとなる。


Q. それらの土地の活用を市はどう考えているか。

A.  既に山林化した耕作放棄地は,立地や環境等の条件にもよるが,活用は大変難しいと考えている。耕作放棄地は周辺農地に悪影響を及ぼし、その解消に多額の費用を要することから、農地の適正な管理により発生を防止するとともに、発生した耕作放棄地は速やかに解消することが重要である。

そのため早期に農地の情報提供を行うなどにより、経営規模を拡大したい担い手や農事組合法人などと農地所有者とを農地中間管理事業による仲介により利用集積を行うことで耕作放棄地の発生の防止や解消を図るとともに農業者の経営の発展を図っていきたいと考えている。

解説: 年々増える耕作放棄地です。今後、70代80代の農家が耕作をやめると更に増えます。今市内にいる若手の農家だけでは背負いきれないほどの農地が耕作放棄されることになってきます。積極的な対策が必要です。

多くの自治体で、農業委員会や農協と手を組んで、耕作放棄地対策が積極的に行われています。場合によっては市外の事業者の力を借りることも含め、農地を荒らさないための取り組みを進めなければなりません。



by hitomi-orange | 2021-12-18 11:24 | 館山市議会 | Comments(0)

鈴木ひとみ 政策


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